25. なぜ女性のPrEP利用率は低いの?

ほとんどの西欧諸国では、PrEPの認知度と利用率は、ほかの社会集団とくらべ、男性と性交渉を行う男性のコミュニティではるかに高くなっています。この理由として、ゲイコミュニティにおけるHIV問題との関わりの長い歴史や、ゲイコミュニティでは個人個人がHIVに対し脆弱性を抱えていることが広く認識されていること、そしてPrEPを取り巻く近年のコミュニティによる積極的な啓発活動などが考えられます。ほかの社会集団においては、HIVにさらされるリスクについて認識していない人が多かったり、PrEPの存在を知らない人も多くいるのかもしれません。これには、HIVの感染リスクについて情報が限られている場合や、性交渉によってHIVに感染すると思っていない、あるいは感染リスクを理解していない人が含まれます。
特定の社会集団でPrEPの認知度と利用率が低いのには特別な理由があるかもしれません。イギリスを例にとれば、イギリス国外で生まれた女性が、セクシュアルヘルス関連のサービスにアクセスする際に、経済的、文化的、言語的な障壁に直面します。イギリスで暮らすアフリカ系女性の多くは、セクシュアルヘルスの問題が生じた際、現在PrEPが提供されているセクシュアルヘルスクリニックよりも、家庭医を受診する傾向があります。