B型肝炎(HBsAg)検査と腎機能検査について

PrEPを検討されている方へ -HIV検査の他に必要な検査についてー

PrEPの開始時に第4世代のHIV検査(第4世代抗原・抗体検査)は必須ですが、B型肝炎腎機能の検査も同時に必要とされています(WHOのガイドライン、各国のPrEP開始時のガイドラインに明記)。以下にその理由を記載しますので、ご一読のうえ、必要な検査を受けてからPrEPを開始することを強くお勧めします。

【B型肝炎(HBsAg)検査】

PrEPに使用される抗HIVウイルス薬は、B型肝炎の治療薬でもあります。B型肝炎陽性の場合、デイリーPrEPは問題なく行えますが、オンデマンドPrEPは推奨されません。
オンデマンドPrEPでは、抗ウイルス薬の体内濃度が大きく変動するために、B型肝炎ウイルスの抑制と、抑制解除が繰り返されることになり、B型肝炎の悪化を招く可能性があります。
どのような飲み方が適しているかを判別するためにも、PrEP開始前にB型肝炎の検査が必要です。
また、B型肝炎の方はデイリーPrEPを止めるときにも注意が必要です。

【腎機能検査】

PrEP開始前の腎機能検査はガイドライン上必須となっています。
開始前に腎機能に問題がある場合には、PrEPは推奨されません。また、正常値ぎりぎりの場合は、PrEP開始後に腎機能が低下することが予測されますので、PrEPの腎機能への影響を少なくするためにオンデマンドPrEPを選択した方がよい場合もあります。
腎臓に病気のある方、腎臓に負担のかかる薬を内服している方、糖尿病など腎機能低下を来たしやすい病気を持っている方は特に注意が必要です。また、こういった病気がなくても、一般に50歳以上になると加齢による腎機能低下が認められる場合もあります。
PrEPを開始するにはeGFRが60以上あることが目安となりますので、医療機関で腎機能検査を受けてください。