31. PrEPの服用に関して、いつ開始するか・止めるか、矛盾したアドバイスがあるのはなぜ?

全ての国際的なガイドラインが、PrEPの開始方法と中断方法について、同じ勧告を与えているわけではありません。矛盾する情報を聞くことがあった場合には、ほかのガイドラインの内容を知っておくことは役に立ちます。ガイドラインの不一致の一部は、限られた有効なエビデンスに対する科学的解釈の違いが原因です。また、専門家たちによって、リスクとハームリダクションに対するアプローチが異なることも原因です。言い換えると、医師は高い確証を得ている方法について、たとえ一部の人々が実践するには困難であったとしても、「安全でしょう」と推奨すべきなのか、それとも、リスクを完全に0にする方法よりも、リスクを低減するような実用的な方法を選択すべきなのか、ということです?
世界保健機関(WHO)は、膣性交、肛門性交いずれの場合も、PrEPを7日間服用したあとに、血中濃度が保護レベルに達すると勧告しています。また、PrEPを中止する場合、HIVの感染リスクのある性交渉の後、28日間継続されるべきであると言っています。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)からのガイダンスによれば、PrEPは肛門性交で挿入される側の場合は7日後に、シスジェンダー女性が膣性交する場合は20日後に、それぞれ最大の予防効果に達すると説明しています。この2つのより慎重な姿勢のガイドラインは、関連調査が終了する前の2014年に公開されました。